
それがこれ。
距は白色でオオタチツボスミレに見えますが、形も生え方も完全にナガハシスミレです。
見た瞬間にピンときました。

ナガハシにしてはやたら大きくて丸い花弁。

そしてこの距。
純白ではなく、微妙に薄紫がかっています。
長さはオオタチツボにしては長すぎ、ナガハシにしては短すぎる感じ。
というわけでナガハシスミレとオオタチツボスミレの雑種、通称イワフネタチツボスミレです。
両種が混生する場所では高確率で見られる雑種のようです。
周囲には典型的なナガハシスミレとオオタチツボスミレが混生していて、条件は十分でした。
花や葉は完全に両種の中間の形質。腋生の花がつかないあたりはナガハシ寄りなのでしょうか。

雑種強勢なのか、やたら群生していました。
そのうちこの周辺の個体群は雑種に呑まれるんじゃなかろうかと思っていたら、すぐ近くでさらに凄いのを発見。

な ん だ こ れ は

ザ・カオス。
近づくと視界が紫で埋まり、目がチカチカするほどの群生。
こちらは距が紫色でナガハシスミレかと思いましたが、どうも典型から外れています。

花の印象はナガハシには程遠く、どちらかと言うと先のイワフネ寄り。
そして帰って写真を眺めているときに発見。花柄が有毛!
慌てて同じ場所のスミレの写真を確認すると、ナガハシ、オオタチツボ、イワフネはすべて花柄が無毛。
タチツボスミレだけがすべて花柄有毛の個体群でした。
それで腑に落ちました。ナガハシスミレとタチツボスミレの交雑種のようです。
これら3種は近い仲間のようで、簡単に交雑してしまうのですね。

しかし交雑種にしてもこの群生は異常です。
このままこの周辺を埋め尽くすのではと心配になります。

最後に、典型的なナガハシスミレの群生。
この場所はスミレの種類が多く、群落の規模も大きくて良い場所でした。
スミレの交雑種はかなり多くの組み合わせが報告されていますが、実際に見たのは初めてでした。
個体差が多い花ですから、どこまでが個体差の範疇かというのも考えなければなりません。
こういうのは経験が物を言いますね…。もっと色々なタイプの個体を見ていきたいです。
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